適応障害無職になり、たまに映画鑑賞の感想を書く映画・ドラマのカテゴリーを久々に更新です。
今日は映画『すばらしき世界』について。
映画『すばらしき世界』は、2021年に公開された西川美和監督の作品で、役所広司が主演を務めた感動的な人間ドラマ。
この映画は、出所した元受刑者が「普通の生活」を目指して奮闘する姿を描きながら、社会との関係性や人間の本質を深く掘り下げた作品です。
私はAmazonPrimeビデオ視聴しました。
あらすじ
役所広司が演じる三上正夫は、長年服役していた殺人犯。
出所後、過去を背負いながら「普通の生活」を手に入れようと努力します。
しかし、社会復帰は一筋縄ではいかず、過去の罪や周囲の偏見が彼の前に立ちはだかります。
そんな中、彼の生活を追いかけるテレビ制作スタッフや、周囲の人々との関わりを通じて、彼の心の葛藤と人間性が浮かび上がります。
ラスト20分は涙が止まらなかった
この映画で特に心を揺さぶられたのがラスト20分です。
三上が社会の中でジレンマに葛藤しながらも、守るべき人のために必死に生きる姿が描かれています。
私自身、適応障害になり、社会の中で自分の居場所を見つけることに苦しんだ経験があるため、三上の苦悩が他人事とは思えませんでした。
三上が自分を抑え、時には自分を犠牲にしながらも周囲の期待に応えようとする姿は、社会と個人の間にある矛盾を象徴しているように感じました。
その中で、彼が見せる小さな優しさや不器用な愛情は、観る者の心に深く響きます。
特に、「自分は何のために生きているのか」を問いかけるシーンでは、彼の苦しみと決意が重なり、私の胸を締め付けました。
社会の中で期待される「正しい生き方」を模索しつつも、理想と現実の間で揺れる彼の姿は、まさに私自身が感じてきたものと重なる部分がありました。
見どころ
- 役所広司の圧巻の演技 三上という複雑な人物を、役所広司が見事に演じています。厳しい社会の目にさらされながらも純粋に生きようとする姿は、多くの観客の心を揺さぶりました。
- 西川美和監督の緻密な描写 社会復帰の難しさや人間関係の微妙な機微を、西川監督ならではのリアルなタッチで描いています。特に、三上が怒りを抑えきれずに感情を爆発させる場面は、観る者に強い衝撃を与えます。
- 「更生」とは何かを問いかける物語 この映画は、社会の中で「罪を償う」とはどういうことなのか、また人が本当に変われるのかを問いかけます。三上が自分を律しながらも、時折見せる人間臭い姿が、観客に多くの共感と疑問を投げかけます。
作品のテーマ
『すばらしき世界』は、「すばらしき」と皮肉を込めたタイトルの通り、現実の厳しさと希望を同時に描いています。
社会の中での居場所を見つけることの難しさや、それでも前を向いて生きていこうとする人間の姿は、観る者に深い感動を与えます。
また、この映画は、「社会の中でどう他者と向き合うべきか」という普遍的なテーマを描いています。
出所者である三上と、彼を受け入れられない社会の間にある溝は、現代社会の課題そのものと言えるでしょう。
ラストの終わり方もおぉ!と感じるものがありました。
自分の生き方をもう一度見つめ直す。そんな作品だと感じました。
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